なぜ地方創生の取り組みを始めたのか?
自宅は、もう一つの学校だった。
ウチは毎年安城学園高校の生徒のインターンを受け入れている。「ハナロロファーム」のキッカケは、コロナ禍のときにある生徒が発したひと言だった。
「私ここで働きたい!」
理由を聞くと、「ハナロロさんのような縫製場があれば、私は大学に行きたいとも思わない。おじいちゃんとおばあちゃんが好きだし、ずっと実家の近くで働ければそれでいい」と返ってきた。
ふと自分の幼少期を思い出した。まだ自宅が縫製場だった時代だ。学校から帰ってきたら、父も母も仕事をしている。 ミシンで縫製をしている横で、ミシン台をデスク代わりにしてよく宿題をしていた。 親は安心だっただろう。私も両親の働く姿を見ながら、「仕事をする」「お金を稼ぐ」ということの意味を、子ども心に感じていたのかもしれない。
今ではサラリーマンの共働き夫婦が多く、親が働いている姿を見ることは貴重。でもそのニーズは確実にある。そこに、ビジネスチャンスがあると思ったんだ。