なぜビーズクッション事業を始めたのか?
背伸びをする。地に足べっとりつけて。
小さい頃から絵を描くのが好きで。インテリアデザインの海外雑誌を読み漁り、若い頃はミラノサローネにも行ったことがある。なかでも椅子のデザインに惹かれ、奮発して実際に使ったこともあった。ただ、そこで気づいたことがある。
椅子ってデザイン性は高いけれど、ずっと座っていられるかというと、そうじゃないものが多い。特に日本の家は文化的に床暮らしだし、部屋は比較的コンパクトな構造だから、座面の高い椅子は相性が悪く、短時間で座る姿勢に疲れてくる。自分自身、長い間座ってリラックスできるものがほしいとだんだん思うようになっていった。
我々は縫製の技術を持っている。目の前には、布とビーズがある。頭に描いたものを、どんなデザインでも形にすることができる。 完全にプロダクトアウトとマーケットインの両方の視点から生まれたのが、ビーズクッション事業。我々は大量生産せず、一つひとつ人の手でつくっている。同時に、人が企画をしている。だから商品への愛情と品質への自信は、一生変わることはない。